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北大西洋の中心に隔離され、汚染とは無縁の海に囲まれたフェロー諸島。フィヨルド（fjord）やサウンド（sounds）と言われる長年に渡る氷河の浸食作用によって形成された複雑な湾・入り江の地形が島々を囲み、生物学的環境が非常に整っております。海水の循環も早く、フェロー諸島は類を見ない、サーモン養殖にとって最適なロケーションです。

非常に激しく速い大西洋の潮流がフェロー諸島を囲みます。この速い潮流が常にサーモンの生簀へと流れ込み、海水を循環させることで、サーモンにとって最適なコンディションを維持します。また、速い潮流は生簀を囲むフィヨルドを効率よく浄化し、周りの環境を定期的にリフレッシュさせます。

南から北へ向って流れる大西洋暖流と、北から南へと流れる非常に冷たい北極海流がフェロー諸島付近で交わります。この特徴的な二つの海流とフェロー諸島の独特の隔離された地形により、フェロー諸島周囲は常に安定した低い温度の海水に囲まれています。長年の研究結果により、安定的した低い海水温はサーモン養殖には必要不可欠であり、高品質のサーモンを育てるために最も大切なファクターの一つでもあります。このような最高のコンディションに引き寄せられ、北ヨーロッパ生息の天然アトランティックサーモンはフェロー諸島の北側まで回遊し成長期を過ごしていることがわかっています。

世界的なサーモン養殖量の増加に伴い、同じ海域を行き来する天然サーモンの資源への影響が懸念されておりますが、フェロー諸島の河川は非常に短いことで、天然サーモンの生息は確認されておりません。よってフェロー諸島では養殖サーモンによる天然サーモンへの悪影響は皆無であり、周りの環境にも害のない、継続可能な産業であることもうかがえます。

サーモンの養殖にとって素晴らしく恵まれた自然環境、世界で最も厳格で総合的な養殖魚に関する獣医規制、独特のフィヨルド地形によって隔離される各地の養殖エリアがフェロー諸島サーモンを病気やストレスから守ることに貢献しております。このような優れた環境により、フェロー諸島サーモンは病気とは無縁で、抗生物質を一切与える必要がありません。厳しい規制や取り組みによって周辺の環境を守り、継続可能な産業を維持することもフェロー諸島の大きな特徴の一つです。

Bakkafrost社は世界でもっと垂直的に統合された一貫体制企業の中の一社です。一貫体制ということは、卵から輸出に至るまでのすべての工程において、Bakkafrost社が管理し責任を担っております。 これにより、業界で最も優れたトレーサビリティーを提供できます。
さらに業界では珍しく、Bakkafrost社では飼料の原料となる魚粉と魚油を自社で生産しております。これにより飼料の品質まで自社でコントロールすることが可能に加え、栄養価の高い飼料でサーモンを育てることが出来ます。最近注目されているオメガ３、EPA、DHAなどの不飽和脂肪酸の含有量が非常に高く、健康にもとってもいいサーモンです。

右記グラフでは他のサーモン養殖主要生産国と比較し、フェロー諸島サーモンは最も低いBFCR（生物学的飼料要求率）であることがわかります。BFCRとは1ｋｇのサーモンを育てるのに使用した飼料のｋｇ数を表した生物学的指標です。飼料の原料の大半は天然資源ですので、産業の継続性を図る上で、BFCRは非常に参考になる資料となります。